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7. 宇宙の年齢

 遠方の銀河ほど速い速度で地球から遠ざかっています。このとき地球の観測装置では光速度、振動数、波長はどのように見えるでしょうか。

① 望遠鏡レンズ透過後の光

望遠鏡レンズ透過後の光



光電粒子理論と相対論では (3)式、(6) 式を比較すれば
 ローレンツ因子
の違いがあります。地球から近い銀河では β の値は小さいですが遠方の銀河では大きく影響が出てきます。




② 赤方偏移 Z と後退速度 β

赤方偏移 Z は次の式により定義されます。

赤方偏移式

図1 に Zβ の関係を示します。Z が小さい場合は光電粒子理論と相対性理論の値は一致します。Z が大きくなれば乖離も大きくなり、同一の赤方偏移 Z に対して光電粒子理論はより小さな後退速度を示します。このことから宇宙の膨張速度は相対論の見込みより遅く、ハッブル定数 H0 の逆数で示される宇宙年齢はより長くなるのです。

赤方偏移と後退速度

図1  赤方偏移 Z と 後退速度 β


③ ハッブル定数と宇宙の年齢 

 遠方銀河の後退速度が光電粒子理論と相対性理論で差が出るため、ハッブル定数から算出される宇宙年齢は30億年ほど長くなります。

ハッブル定数と宇宙の年齢

図2 は銀河の地球からの距離に赤方偏移(8)式と(10)式から求められた後退速度をプロットしたものです。光電粒子理論ではハッブル定数 61 (km/s)/Mpc が得られこれから計算される宇宙の年齢は 160 億年となります。

ハッブル定数

図2 ハッブル定数   




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