遠方の銀河ほど速い速度で地球から遠ざかっています。このとき地球の観測装置では光速度、振動数、波長はどのように見えるでしょうか。
光電粒子理論と相対論では (3)式、(6) 式を比較すれば
の違いがあります。地球から近い銀河では β の値は小さいですが遠方の銀河では大きく影響が出てきます。
赤方偏移 Z は次の式により定義されます。
図1 に Z と β の関係を示します。Z が小さい場合は光電粒子理論と相対性理論の値は一致します。Z が大きくなれば乖離も大きくなり、同一の赤方偏移 Z に対して光電粒子理論はより小さな後退速度を示します。このことから宇宙の膨張速度は相対論の見込みより遅く、ハッブル定数 H0 の逆数で示される宇宙年齢はより長くなるのです。
図1 赤方偏移 Z と 後退速度 β
遠方銀河の後退速度が光電粒子理論と相対性理論で差が出るため、ハッブル定数から算出される宇宙年齢は30億年ほど長くなります。
図2 は銀河の地球からの距離に赤方偏移(8)式と(10)式から求められた後退速度をプロットしたものです。光電粒子理論ではハッブル定数 61 (km/s)/Mpc が得られこれから計算される宇宙の年齢は 160 億年となります。
図2 ハッブル定数