フィゾーは水流中に光を通過させて媒質中の光速度を測定しました。検出器で観察された干渉縞の移動量はいわゆるフレネルの随伴係数と呼ばれる係数をかけたものでした。
このことは当時の科学者を悩ませましたが特殊相対性理論により整合性のある説明が可能になったのでした。
図1 水流があるときの光速度測定図(フィゾーの実験)
これが予測された干渉縞の移動量でしたがフィゾーの実験値には合いませんでした。
一方相対性理論では速度の合成は(7)式によります。
フィゾーが実験した結果は(6)式ではなく(9)式にほぼ一致していたことから特殊相対性理論が支持された主要な根拠の一つとなりました。
光電粒子理論の立場ではどのような説明が考えられるでしょうか。
運動している媒質中の光速度は相対論的な速度合成則ではなく光物性によってそうなると考えます。光は物資に衝突して二次光源となり再放射します。その際に物質の光物性値、電気分極率、誘電率、電気感受率などが関係するからです。光は媒質の中で光速度は同じであるが再発光に遅れが生じて見かけ上遅くなると考えます。遅れ量として誘電率を用いれば(11)式のように表すことができます。
ε0、ε をそれぞれ真空、媒質の誘電率としてマクスウェル方程式から導出される関係として
があります。これにより(8)式は
となって誘電率で表すことができます。このように運動する媒質の光速度は光物性によるものです。しかし実は(11)式も正しくはありません。光物性と光速の関係を示す(10)式が現実と一致しないからです。現段階では光物性の何かを s として(1)式としています。マクスウェル方程式は光電粒子理論の立場からは多くの変更が必要になりますがここで一例を示しておきます。